労働者派遣事業とは
労働者派遣事業とは、派遣元事業主が自己の雇用する労働者を派遣先の指揮命令を受けて、この派遣先のために労働に従事させることを業として行うことをいいます。
労働者派遣事業の種類には、次の2種類があります。
- 一般労働者派遣事業
- 特定労働者派遣事業
一般労働者派遣事業とは
特定労働者派遣事業以外の労働者派遣事業をいい、例えば登録型や臨時・日雇の労働者を派遣する事業がこれに該当します。
特定派遣とは異なり常用雇用の労働者を派遣するものではないため、派遣会社には人件費のコントロールが可能という最大のメリットがあります。しかし、派遣会社側は派遣労働者の労務管理が煩雑になりがちであったり、派遣労働者側にとっても常用雇用でないために身分が不安定であるということがあり、派遣会社には、常々適切な運営が求められています。
一般労働者派遣事業を行うには、事業主の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局を経て、厚生労働大臣に対して許可の申請をしなければなりません。
特定労働者派遣事業とは
常用雇用労働者のみを労働者派遣の対象として行う労働者派遣事業をいいます。
特定労働者派遣事業を行うには、事業主の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局を経て、厚生労働大臣に届出をし、これが受理されなければなりません。
なお、一般労働者派遣事業の許可を受けた事業所については、特定労働者派遣事業の届出を行なう必要はありません。ただし、常用雇用労働者以外の派遣労働者を1人でも派遣する場合は、一般労働者派遣事業の許可申請を行わなければなりません。
※ 一般労働者派遣事業の許可及び特定労働者派遣事業の届出は、事業主単位(会社単位)で行われますが、事業主は申請に際して労働者派遣事業を行おうとする各事業所の名称等について申請書(特定労働者派遣事業の場合には届出書)に記載するとともに、事業所ごとに事業計画等の書類を提出することが必要です。
※ 「常時雇用労働者」とは、雇用契約の形式を問わず、事実上期間の定めなく雇用されている労働者をいい、具体的には以下とおりです。
- 期間の定めなく雇用されている労働者
- 一定の期間(例えば、2ヵ月、6ヵ月等)を定めて雇用されている次の者であって、その雇用期間が反復継続されて事実上①と同等と認められる者
- 過去1年を超える期間について引き続き雇用されている労働者
- 採用の時から1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる労働者
- 日々雇用される次の者であって、雇用契約が日々更新されて事実上①と同等と認められる者
- 過去1年を超える期間について引き続き雇用されている労働者
- 採用の時から1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる労働者
労働者派遣事業を行うことができない業務
次のいずれかに該当する業務は、労働者派遣事業の適用除外業務であり、これらの業務での労働者派遣事業を行うことはできません。
- 港湾運送業務
- 建設業務
- 警備業務
- 病院等における医療関係業務
- その他 弁護士、行政書士等の士業の業務等