事業計画書の必要性
創業融資を申し込む際には、「事業計画書(創業計画書)」の提出が必須になっています。
創業者については、まだ実績がなく、あるものは今後の事業の見通しだけということになります。これは、金融機関からすると「事業計画書」は最も重要な貸し出しの根拠であるとともに、担保の代わりともなるべきものです。
このように、事業計画書の作成は、事業者(創業者含む)の資金調達には欠かせないものであることから、その内容の出来、不出来は融資の結果に大きく影響することになります。
創業融資の場合の審査のポイント
金融機関の融資審査は主に次の2点を中心に行われます。
- 「経営能力の有無」
- 「事業計画の妥当性」
これら2つはいわば車の車輪のような関係であって、仮にその一方だけが優れていたとしても、もう片方がおぼつかないようでは、経営は困難なものになります。
事業に必要な経営能力があるか
経営能力の有無は「創業の動機」や「これまでの経験」、「事業に対する考え方」などが評価のポイントになります。まずは、これらのポイント押さえ、しっかりと対策を立てていくことが必要です。
売上が立てられる計画となっているか
事業計画が、本当に事業として継続できるものなのかどうかは非常に重要な問題です。
仮にその内容が単なる希望的な予測やアイデア程度のものならば、融資の審査に悪影響を及ぼす以外にも、現実において事業の破綻を招くおそれがあります。
そうならないためにも、「事業の仕組み」をしっかりと組み立てて、計画を作成する必要があります。
「事業の仕組み」とは、簡単にいえば「どこでその事業をして、いくらで仕入れて、誰にいくらで売って、それにはどれだけの経費がかかって、儲けはいくらになるのか」という商売のサイクルです。
そして、これを裏付けるものが「収支計画」、「資金繰り」、「財務的根拠」などから成り立つ「事業計画の妥当性」ということになります。
返済ができる計画となっているか
いくら売上が上がったとしても、それ以上に原価や経費がかかってしまい返済できないのであれば、金融機関としては当然融資を行うことはできません。
そのため、金融機関は、「収入・支出・利益」のバランスを重視します。
数字は根拠をもって作られているか
事業計画書に記載する数字は「裏づけのあるもの」で、かつ、「実行可能なもの」でなくてはなりません。このいずれかを欠いた内容では、計画全体の信頼性そのものが失われてしまいます。
例えば、事業設備や備品などでは、その金額の根拠として、見積書や価格カタログが必要となり、人件費などについては、事前に簡単な勤務シフト表などを作った上で、これを根拠として示すなどの工夫が求められます。