融資面談対策
創業融資を受ける際には、その手続きの中で「面談」があります。
これは、金融機関が事業計画書等の書面だけでなく、実際に経営者と会って、その人柄や事業に対する考え、起業に対する意思等を確認することで、融資決定の判断材料とするためのものです。
そのため、融資を申請するにあたっては、各書類の作成だけでは不十分で、面談の対策も必要となります。
事業を開始したきっかけについて
これは事業計画書にも記載することですが、重要なポイントとして面談でも改めて聞かれることが多いようです。
基本的には、事業計画書の内容に沿って、要領よく簡潔に答えられることが重要です。
また、計画書の中では書ききれなかったことがあれば、ここで伝えられるようにしましょう。
リスクについて
自分が行おうとする事業についてはどのようなリスクがあり、それに対してどのような対策を考えているのかを聞かれることがあります。
この対策としては、事前にこれから行おうとする業界のデータを取寄せておき、開業後にはどんなことが問題となりやすいのか、自社の場合ではどうなのかを考えておくこと等があります。
また、売上が予想通りに上がらなかった場合の対策も考えておく必要があります。
自己資金の確認について
自己資金が必要とされる融資の場合には、必ずその確認が行われます。
確認の方法としては、通帳の記録を確認するというのが通常ですが、入金の状況などについて不審な形跡がある場合には、そのお金を貯めた経緯や内容について踏み込んだ質問がされる場合があります。
また、聞き取りだけで判断できないような場合には、他の通帳や資料の提出を求められる事がありますので、そのような可能性がある場合には、相手から聞かれる前にこちらから経緯を説明したほうが良いでしょう。
差別化の内容について
差別化とは、他の同じような事業と比較してどこが優れているかという戦略上の長所をいいますが、これがあるかどうかにより、その後の経営が大きく左右されるため、面談においても重視される項目の一つとなっています。
人が一人一人違うように、たとえ同業種間であっても、会社やビジネスには何らかの違いはあります。
起業の動機(「なぜ、この業種で起業したいと考えたか」)には、差別化に繋がる多くのヒントがありますので、ぜひ見つけ出して、ビジネスに活用していきましょう。
収支の見込みについて
金融機関が融資を行うためには、返済可能かどうかが前提となるため、この収支の見込みについても質問されることあります。
事業計画の中でこの部分がしっかり説明できていれば、あまり深く質問されることはありませんが、収支のバランスが取れていないような場合には具体的にどのように返済するのかを聞かれます。
専門用語について
面談に限らず、事業計画書の作成においても、専門用語はなるべく使わず、平易な表現を心掛けることが必要です。
どうしても使う必要がある場合には、注釈を入れたり、補足の説明をするようにしたほうがよいでしょう。
営業場所について
事務所を借りて事業を行う場合には、賃貸借契約書の写しを求められます。
この際の注意点としては、「事務所として使用することが禁止されていないか」や「転貸し(賃借人から、またさらに借りること)の場合に、大家の承諾は得られているか」等があります。
取引条件について
取引条件とは、仕入れの締日や支払日、売上げの入金と支払いまでの予定期間はどの程度か、入出金のズレは生じるかなどの取引をする上で基本となる条件のことをいいます。
入金よりも出金のタイミングの方が早く、さらにそれがある程度の期間に及ぶ場合には、この間の運転資金が計上されていることが必要になります。
これらが計上されていない場合には、この運転資金について聞かれることがありますので対策が必要です。